選挙報道の虚実|政治ニュース - ハンター(2016年7月7日)

http://hunter-investigate.jp/news/2016/07/post-905.html

同一データで異なる数字
読売と日経の情勢調査を請負ったのは日経のグループ企業「日経リサーチ」。日経リサーチは、コールセンターを持つ「トランスコスモス」という会社に、実務を再委託していたことが分かっている。これまで報じてきたように、トランスコスモスの電話調査は無所属や諸派の候補者を省いたもの。事前の見立てで不必要と判断した候補者の名前を外していた。共同調査である以上、そうやって得られたデータは一つ。当然両紙が持つ「生データ」の数字は、すべて同じものになるはずだ。ところが……。
週刊現代」7/16号の参院選直前大特集“全国紙・NHK・共同通信が調査した最終当落「生データ」を一挙公開!”の誌面。先月22日の公示直後に実施された新聞と共同通信、NHK、自民党本部の調査結果生データなのだという。すると、日経と読売の数字は同じでなければならない。
だが、データの一覧をよく見ると、同じ数字であるはずの読売と日経の「生データ」がまるで違っている。日経の数字と比べ、読売の「生データ」では自民党候補の数字と民進党候補者との差が極端に離れているのだ。日経の数字を基準にすると、読売の自民党候補の数字は、すべて数ポイント下駄をはかせた状態だ。酷いもので、愛知選挙区の自民党候補などは12.1ポインも上乗せされている。逆に、民進党の候補者の数字は、どこの選挙区も1〜5ポイント少ない。
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最後に、実際に電話調査を受けたという読者からのメールを紹介しておきたい。

“6月末から先週土曜日まで、5回(参議院選挙3回・都知事選2回)も世論調査の電話アンケートが来ました。土日の電話でも出るのは主に主婦である私です。
参議院選挙に関するアンケートでは、選挙区の候補名の中に、街頭演説会で何千人もの支持者を集めている候補者の名前がなく、「決めていない」を選択しなくてはなりませんでした。「その他」の選択肢さえなかったのです。比例区も同様。既成政党だけで、届出されたすべてを並べたわけではありませんでした。
それにしても、同じ家に5回もかかって来るのはおかしいと思いませんか?無作為抽出なんて嘘ですよね!”
選挙情勢調査の闇は、思った以上に深そうだ。