<汚染土>「管理に170年」…安全判断先送り、再利用方針 - 毎日新聞(2016年6月27日)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160627-00000005-mai-soci
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環境省非公開会合
東京電力福島第1原発事故に伴う除染で出た汚染土を巡り、環境省の検討会が再利用の方針を決めた際、法定の安全基準まで放射能濃度が減るのに170年かかるとの試算を非公開会合で示されながら、長期管理の可否判断を先送りしていたことが分かった。環境省は汚染土を道路の盛り土などに再利用し、コンクリートで覆うことなどで放射線を遮蔽(しゃへい)するとしているが、非公開会合では盛り土の耐用年数を70年と提示。道路の供用終了後も100年間の管理が必要で、専門家は「隔離もせずに計170年もの管理をできるはずがない」と厳しく批判している。
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◇捨てているだけ…熊本一規・明治学院大教授(環境政策)の話
汚染管理は、一般人を立ち入らせないことや汚染物が埋まっていることを知らせるなどの要件を満たすことが必要だ。道路など公共物に使いながら170年間も管理するのはあまりに非現実的。70年の耐用年数とも矛盾する。このような措置は管理に当たらないし、責任を取らないと言っているに等しい。実態としては捨てているだけだ。
◇◇除染による汚染土◇
住宅地などの地表面をはぎ取った汚染土はフレコンバッグなどに入れ現場の地下に埋設保管されているほか、自治体などが設置した仮置き場で集積保管されている。推計で最大2200万立方メートル(東京ドーム18個分)とされる福島県内分は双葉、大熊両町に整備中の中間貯蔵施設で最長30年間保管後、県外で最終処分する方針だが、処分先などは未定。福島県外では栃木、千葉など7県で計約31.5万立方メートルが昨年9月末時点で保管されているが、今後の取り扱いは決まっていない。