<アリさん死去>「私たちのために闘った」オバマ米大統領 - 毎日新聞社(2016年6月4日)

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【ロサンゼルス長野宏美、松井聡】信念を貫き、リングの外でも闘いの連続だった。3日に死去したプロボクシング元世界ヘビー級王者のムハマド・アリさん。オバマ米大統領が「私たちのために闘ってくれました」とたたえる声明を出すなど、国内外から、その死を悼む声が相次いだ。
アリさんは1964年に世界王者に輝くと、黒人指導者のマルコムXらの影響を受けて黒人イスラム教組織に入ったことを発表。本名のカシアス・クレイは「奴隷の名前だ。私が選んだのではない」として、ムハマド・アリに改名した。
67年、ベトナム戦争への徴兵を信仰と反戦を理由に拒否。「私とベトコン(南ベトナム解放民族戦線)には争いはない」「他人の命を奪う戦争に行くより、刑務所を選ぶ」。タイトルは剥奪されたが、信念は守った。
イスラム教徒に対する偏見が起きると、声を上げてきた。2001年の米同時多発テロの後、米国内で反イスラムが広がったが、「イスラム教は平和を意味する。イスラム教徒が原因だとレッテルを貼ることを見過ごせない」と批判した。
米史上初の黒人大統領のオバマ氏は09年1月の就任式にアリさんを招待。オバマ氏とミシェル夫人は4日の声明で「彼はリング外でも闘ったことで、タイトルや社会的地位を犠牲にした」としつつ、アリさんが信念を貫き通したことは、「私たちが今日ある米国を受け入れることに貢献した」と述べ、黒人らの地位向上につながったとの認識を示した。
74年にアリさんがジョージ・フォアマンさんを破り王座を奪還した「キンシャサの奇跡」の舞台となったコンゴ民主共和国(旧ザイール)の政府報道官は4日、AP通信の電話取材に「彼は米国の黒人とアフリカの人々をつなぐ懸け橋を作った。コンゴ人の心の中で重要な存在であり続けるだろう」と述べ、哀悼の意を示した。
キャメロン英首相もツイッターで「リングの上だけでなく、公民権(運動)においてもチャンピオンだった。とても多くの人の模範になっていた」と功績をたたえた。