子どもの貧困を考えよう 前橋で4支援団体が交流会:群馬 - 東京新聞(2016年6月2日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201606/CK2016060202000191.html
http://megalodon.jp/2016-0602-1407-42/www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201606/CK2016060202000191.html

県内で子どもの貧困対策に取り組んでいる団体の交流会「子どもを誰ひとり見捨てない。今、私たちにできること」が、前橋市の県生涯学習センターで開かれた。教育関係者や市民団体の関係者らが活動や支援の現状について意見交換した。 (原田晋也)
太田市で貧困家庭の子どもらを対象にした学習支援をしている「おおた女性ネット」や、伊勢崎市で外国人の子どもに日本語指導をしている「Jコミュニケーション」など四団体が活動を報告。活動の意義や、ボランティア集めに苦労している現状などを紹介した。
会場には九十五人が来場し、積極的に意見を発表していた。安中市子育て支援などに取り組むNPO法人「Annakaひだまりマルシェ」で活動している女性は「外からは見えない(分からない)が、貧困で困っているママたちは多い。子育て支援をしていて、一番口に出しにくい問題なんだと感じている」と語った。
子どもに自然体験学習をさせるボランティアに取り組んでいるという高崎健康福祉大高崎市)の男子学生は「大学のボランティアセンターには学生が迷うくらいたくさんの募集がきている。大学に来て活動内容を話してもらえれば、学生としても行きやすい」と話した。
前橋市で小学校教諭をしている男性は「現状では支援の情報が満足に貧困家庭へ届いていないと感じる。現場の教員としては、ある程度まとまった情報を紙でなく口頭で届けた方が支援につながりやすいと思う」と、課題を挙げた。
前橋市の中学校で三年生を受け持っている男性教諭は「調査をしたわけではないが、貧しい家庭の子どもの学力は総じて低い。生きることで精いっぱいの家庭も最近多くなってきたと感じている」と明かした。報告について「良心を持って活動に取り組む人がこんなにたくさんいるんだ、と感動したが、同時に教育行政と貧困対策の貧しさの裏返しでもあると思う」と、危機感を口にしていた。
交流会は市民団体「群馬子どもの権利委員会」や、県内の教員らでつくる「ぐんま教育文化フォーラム」などが昨年に続いて開き二回目。同フォーラムの滝口典子代表は「前回は埼玉県の団体を招いた勉強会が主だったが、今回は突っ込んだ形の交流ができ、いろいろな支援のやり方があると分かった」と話した。