習志野市、試用期間後に障害者解雇 男性反発、差別解消法前の「駆け込み」- 東京新聞(2016年4月12日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/CK2016041202000140.html
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千葉県習志野市が、職員として採用した障害者の男性(28)を、試用期間終了直後の二月に解雇していたことが分かった。犯罪に関わった場合などを除き、公務員が試用期間後に雇用を継続されないケースはまれで、市でも初めて。市は「解雇は障害が理由ではなく、能力が採用基準に達しなかった」と説明するが、男性は、障害を理由とした不利な扱いを禁じる障害者差別解消法が四月施行される前の「駆け込み解雇」と反発している。 (服部利崇)
男性によると、左足が生まれつき不自由で、障害者手帳四級の認定を受けている。歩くのが遅く長時間立っていられないが、車いすやつえは使っていない。
市によると、昨年六月に試験と面接を経て障害者枠で一般事務職として正規雇用した。半年の試用期間中、介護保険課でデータ入力や窓口対応を担当したが、能力不足などがあったとして試用期間を三カ月延長。総務課でテープ起こしなどを担当した後、今年二月二十二日に解雇通告した。
市の市川隆幸総務部長は解雇の具体的な理由は明らかにしていないが、「仕事の速度や協調性、勤務態度など十七項目を総合評価した結果、基準に達しなかった」と説明。「身体障害者枠の雇用だが、健常者と同じ事務能力がある前提で採用した」としている。
障害者雇用促進法が定める国と地方自治体の法定雇用率は2・3%だが、同市は二〇一四年六月時点で1・58%。不足人数は五・五人と県内最多で、千葉労働局が改善を求めていた。
障害者雇用に詳しい清水建夫弁護士は「障害者雇用率を見ても市は順法精神に乏しい。障害者の特性に応じた配慮をするべきで、共生社会実現には、均等に働く機会を与えねばならない」と話している。