原発差し止めの重い意味。司法は「原発と政権」にストップをかけられるか?- MAG2NEWS(2016年3月18日)

http://www.mag2.com/p/news/158581

先日、大津地裁が高浜原発3、4号機の運転差し止めを命じました。メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』の著者・新 恭さんは、あくまで原発再稼動にこだわる安倍政権に真っ向から立ち向かうかのような決断を下した山本善彦裁判長を大きく評価するとともに、政治権力が裁判所をコントロールするこの国のシステムと、それに巻かれて上役の顔色をうかがう「ヒラメ裁判官」の増殖を厳しく糾弾しています。
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http://www.mag2.com/p/news/158581/5
問題は政治権力が裁判所という組織をコントロールしていることだ。

最高裁長官は内閣の指名で天皇が任命することになっている。自民党政権は法廷の最高権力者の人事を実質的に握ることで、裁判所の官僚的ヒエラルキー組織に介入し、気に入らない裁判官をパージしてきた。司法省内で検察官が裁判官の上位にいた戦前と同様、裁判所は今も独立していないのだ。国会の形骸化も著しい。はっきり言って、この国における三権分立は絵に描いた餅にすぎない。

安倍政権は原発再稼働の姿勢を貫く構えだ。大津地裁では美浜、大飯、高浜の3原発を対象にした本訴訟が同じ山本裁判長の担当で進行中だが、本訴でも住民側が勝てるとは限らない。

われわれ国民はもっと裁判官の評価に熱心でありたい。社会の司法に対する無関心が、司法の閉鎖性を形成し、ヒラメ判事を増殖させている。上役の顔色をうかがうヒラメではなく、市井の人々にやさしいまなざしを向ける裁判官を国民が育てるためには、良識ある判決を下した裁判官を正当に評価し、ネット上の記録などにとどめておく必要がありそうだ。

今回は、大いに山本裁判長を讃えたい。

関連サイト)
仮処分命令申立事件(高浜3,4号機)について、再稼働差し止めの仮処分決定 - 福井原発訴訟(滋賀)支援サイト(2016年3月9日)
http://ur0.link/szRz

津地裁
高浜原発の再稼働差し止めの仮処分決定を出す。

仮処分決定(1/2)
http://www.nonukesshiga.jp/wp-content/uploads/e9782c2ea5fefaea7c02afd880dd3bfc.pdf
仮処分決定(2/2)
http://www.nonukesshiga.jp/wp-content/uploads/b6c5742c4f89061d95ceb8a0675877e2.pdf