保育士2割「退職考える」 過酷な実態、激務なのに低収入 - 東京新聞(2016年3月23日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016032402000151.html
http://megalodon.jp/2016-0324-0902-06/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016032402000151.html

子どもを保育所に入れられない問題で、待遇の改善を求める声が強まっている保育士。国や東京都の調査からは、低収入なのに激務という過酷な実態が浮かび上がる。
保育士登録者の約三万人を対象に、都が二〇一三年に実施した実態調査によると、退職を考えている現役の保育士は約二割に上っていた。理由は「給料が安い」「仕事量が多い」「労働時間が長い」と、待遇面と職場環境に関する不満が上位を占める。既に辞めた保育士の退職理由も「妊娠・出産」に次いで「給料が安い」が多かった。
厚生労働省が先月公表した職種別の平均年収のデータをみると、保育士は約三百二十万円。全職種(従業員千人未満)の約四百五十万円よりも百万円以上低かった。
月給を五万円増額する議員提案の動きがあることについて、保育問題に詳しいジャーナリストの猪熊弘子さんは「五万円の処遇改善がダイレクトに保育の質の改善と待機児童解消につながるかどうかは疑問だが、保育士が子どもに愛情を持ってかかわり、働き続けていくためには、労働環境や賃金の問題は重要だ」と指摘する。
さらに「研修の充実や保育施設そのものの環境を良くすることが保育士が働きやすい環境につながる。保育の質を高めることは子どもの発達にとってだけでなく、保育士が働き続けるためにも必要なことだ」と強調した。 (福田真悟)