植民地映画に見る国策 法政大市ケ谷で26、27日に5作品上映:東京 - 東京新聞(2016年3月22日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201603/CK2016032202000150.html
http://megalodon.jp/2016-0322-1050-30/www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201603/CK2016032202000150.html

戦前の国策映画をテーマに、映画上映とシンポジウムなどを開く催し「海域の植民地、その映像と記録」が二十六日から二日間、法政大学市ケ谷キャンパスである。映画は日本の植民地だった南樺太や台湾、南洋群島などで撮影され、主催する「日本映像民俗学の会」の北村皆雄代表は「植民地映画が何を映し、どう訴えたのか。めったに見られないノーカット版上映」とPRしている。
上映される国策映画は「海の生命線」(一九三三年製作)や「北進日本」(三四年)、「南進台湾〜国策記録映画」(三九年)など五作品。
「海の生命線」は日本が委任統治していた南洋群島に横浜シネマ商会のカメラマンが長期滞在して、風土と人々の生活を撮影した日本初の長編記録映画で、三三年十一月に帝国劇場で公開されて大ヒットした。
「北進日本」は「海の生命線」の姉妹編で、北緯五〇度を境とする日本領の南樺太と千島列島に長期滞在して北方領土における林業や漁業をカメラに収めた。いずれも国防上の重要拠点とされた。
二十七日午後三時二十分からのシンポでは、専門の研究者が意見を交わす。映画上映は二十六日午前十時十分〜午後五時三十分、同キャンパス外濠校舎S305教室で。二十七日は午前十時〜午後三時十五分、バアソナード・タワー二十六階スカイホールで。二日間の参加費は一般千円、学生五百円。(吉原康和)