慰安婦の思い、朗読劇に あす国立で小金井の横井さん上演 - 東京新聞(2016年3月20日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201603/CK2016032002000122.html
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日本軍の慰安婦を題材にした朗読劇「ひとみ−真実はひとみの中にある」が二十一日、国立市で上演される。小金井市在住の女優、横井量子(かずこ)さん(69)は、日本軍に物資を納めた商家に生まれた。その自らの生い立ちと絡めながら、元慰安婦ら五人の思いを、朗読と一人芝居で表現する。 (萩原誠
横井さんはこれまで、中国残留日本人や南京事件など、戦争を題材にした朗読劇などを演じてきた。その経験を通じて、ある韓国人元慰安婦の手記を読み、当時の少女の繊細な気持ちと「いつまで私たちに証言させるのか」との告白に胸を打たれた。
父は戦前から戦中にかけて、日本軍に物資を納めていた。父の商品が慰安所で使われていたのではと考え、「無知だったことへの罪を感じ、まるで慰安婦を苦しめた張本人になったような罪悪感に襲われた」。
二〇一三年、「ひとみ」の創作を決意。手記などを参考に、出版社や本人の了解を得て、慰安婦の経験や「本質を知ってほしい」「私は一人の人間です」との訴え、自らの罪滅ぼしの思いを書き、同年に台本が完成。以来、国内のほか、昨年夏にはサンフランシスコなど米国の四都市で、秋には北京でも上演した。今回が五十一回目になる。
観劇者から「動作のある朗読劇は新鮮」「場面ごとに変化する情感込めた演技に感動した」「初めから最後まで考えさせられた」などの意見が寄せられた。横井さんは「戦争の罪はさまざま。証言者のひとみを見つめて真実を見いだし、考えてほしいとの思いを込めて演じる」と話す。
国立市富士見台二、くにたち市民芸術小ホール地下スタジオで、午後六時半開演。大人二千八百円、大学生以下千円。問い合わせは主催の「くにたちで『ひとみ』を観(み)る会」、上村さん=電090(1814)8371=へ。