女児死亡火災 母親ら再審無罪へ 大阪地検、有罪主張せず - 東京新聞(2016年3月16日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016031602000243.html
http://megalodon.jp/2016-0317-0928-19/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016031602000243.html

大阪市で一九九五年に起きた小六女児死亡火災で、殺人や放火などの罪で無期懲役が確定後、母親の青木恵子さん(52)とともに再審開始が決まった元同居相手朴龍晧(ぼくたつひろ)さん(50)の公判前協議が十六日、大阪地裁で開かれ、検察側は二人の有罪を主張しない方針を明らかにした。再審無罪が事実上決まった。
十六日午前に開かれた協議後、記者会見した朴さんの弁護団によると、大阪地裁は再審初公判を四月下旬に開いて即日結審させ、八月上旬に二人に判決を言い渡す意向を伝えた。朴さんは「びっくりした。検察が率直に事実を受け止めて、適切な対応をしてくれた」と話したという。午後は青木さん側の協議を実施。
大阪高検は昨年十月、二人が有罪であることを再審公判で主張するとしたが、公判を担当する大阪地検は今年一月の初協議以降、方針を明確に示さず、火災現場の自宅車庫にあった車両を二月下旬に再見分するなどしていた。
火災は九五年七月、大阪市東住吉区で発生。青木さんの長女めぐみさん=当時(11)=が風呂場で焼死した。当初は保険金目的の放火殺人だったとして二人に対する無期懲役の判決が確定していたが、大阪地裁が二〇一二年に再審開始を決定。大阪高裁も昨年十月、検察・弁護側双方が実施した火災の再現実験を踏まえ、車の給油口からガソリンが漏れ、風呂場の種火から引火した可能性を指摘して地裁決定を支持、再審開始が確定した。