司法、原発止める 県内首長ら「住民の不安を認めた」- 佐賀新聞(2016年3月10日)

http://www.saga-s.co.jp/column/genkai_pluthermal/20201/287487
http://megalodon.jp/2016-0311-1518-51/www.saga-s.co.jp/column/genkai_pluthermal/20201/287487

再稼働したばかりの原発を司法が止めた。東京電力福島第1原発事故から5年。大津地裁は9日、関西電力高浜原発3、4号機の運転差し止めを命じた。原発と長年向き合ってきた住民側の弁護団長は「全国の裁判官に受け継いでほしい」。住民らも「福島から学んだ判断」と喝采したが、政府は再稼働の方針継続を強調した。
稼働中の原発の差し止めを命じる司法判断に、拍手と歓声が湧き起こった。「歴史的」「福島から学んだ当然の判断」。関西電力高浜原発3、4号機の差し止めを申し立てた住民には、東京電力福島第1原発事故の被災者も。大津地裁の決定を踏まえ「政府が進める原発再稼働の歯止めになる」との声も上がった。
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◆双方の主張公平に比較
吉岡斉九州大教授(科学史)の話 関西電力の主張にも一定の合理性を認め、住民側の主張には不十分な点もあると指摘した上で理詰めの判断をしている。双方を公平に比較し、裁判官が自分の頭で考えて是々非々の結論を出した。行政や電力会社は、東京電力福島第1原発事故前の基準を少し厳しくすればいいと考えているのだろうが、裁判官ははるかに厳しい基準で臨まなければならないとの前提に立った。福島の事故の歯止めになれなかったことを悔い、自立して責任ある裁判をやろうとの流れが司法界にあると感じさせる。