(私説・論説室から)「一緒に朝を迎えよう」 - 東京新聞(2016年3月7日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2016030702000147.html
http://megalodon.jp/2016-0307-0957-49/www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2016030702000147.html

ラジオ福島に「月曜Monday 夜はこれから!」というユニークな番組がある。民放なのにCMがない。ローカル番組なのにインターネットの「USTREAM(ユーストリーム)」を通じて世界中で聞ける。
毎週月曜日午後七時から約二時間の公開生放送。元同局のアナウンサーで、現在はフリーの大和田新さんがゲストを迎えて話す。
先週は東京電力副社長で、福島復興本社代表の石崎芳行さん、ボランティア団体福幸浜団を主宰する上野敬幸さんらが話した。
東電がメルトダウン炉心溶融)に関するマニュアルが見つかったと発表したので、大和田さんは「新潟県に言われたら見つかった。なぜ、福島ではなく、新潟なのか」と石崎さんに県民の不満をぶつけた。
両親と二人の子を津波にさらわれた上野さんは「マスコミは五年の節目というが、僕には節目はない。写真があるから子の顔は忘れないが、声がだんだん…」と涙ぐんだ。
テーマは震災に限らない。ゲストは弁護士、映画監督、医師、高校生と多彩。それぞれが「福島」への熱い思いを語る。
大和田さんは二〇一一年三月十一日もずっとマイクの前に座った。十二日未明には「日の出の予定時刻は五時五十五分です」「一緒に朝を迎えましょう」と繰り返してリスナーを励ました。先週の放送も「夜明けは近い」と伝えているようだった。 (井上能行)

rfcラジオ福島 月曜Monday(もんだい)夜はこれから
月曜日午後7時から約2時間の公開生放送
https://www.ustream.tv/channel/rfc-radio
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