「保育園落ちたの私だ」 ブログ投稿発端、国会前で抗議 - 東京新聞(2016年3月7日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016030702000144.html
http://megalodon.jp/2016-0307-0955-36/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016030702000144.html

「保育園落ちた日本死ね!!!」と題し、子どもの保育園の入園審査に落ちた憤りをインターネットに投稿したブロガーへの共感が広がっている。東京・永田町の国会前では四、五の両日、子育て中の親らが繰り出し、政府への抗議を示した。
「保育園落ちたの私だ」。四日午後六時半、こう書かれたプラカードを掲げて集まったのは、子ども連れの母親ら約二十人。今春、子どもの保育園入園ができなかった母親が、国会前に集まることをネットで呼び掛けた。
先月末、投稿が国会で取り上げられた際、安倍晋三首相が「匿名である以上、実際のことは本当かどうかも含めて確かめようがない」と答えたことなどへの抗議が込められている。
宮本徹衆院議員(44)=共産=は、長女(7つ)の同級生の母親のツイッターを見て、抗議活動に参加。「政府は保育園数を増やしてはいるが、賃金も下がり、共働き世帯が増えている実態に追いついていない」と指摘した。
ネット署名サイト「チェンジ・オルグ」では、保育制度の充実を訴える署名を四日に始め、二万人を超える賛同者が集まった。
きっかけとなるネット投稿をしたブロガーの女性は取材に「正直びっくりしています。もともとあの文章は感情のまま独り言のような感じで書いた文章だったので」と明かす。「多かれ少なかれ同じ環境で困っている人がたくさんいるということなんだなと思いました」と感じた。
待機児童問題については「国が一億総活躍社会ということを言うのであれば、実際の現場もそうなるようにしていってほしい。聞こえがいい言葉だけを言うのではなく、制度などを変えていってほしい」。
二〇一三年に東京都杉並区で大量の待機児童が出た際、働く母親の代表として区に対応を迫った東京都子育て支援員曽山恵理子さん(39)は「専業主婦が育児をするモデルは時代遅れだと、国会議員らが気づくきっかけになればいい。母親だけでなく、父親も地域も含めてみんなで考えないといけない問題だ」と話した。 (福田真悟、松村裕子)