高浜4号機 不安の再稼働 冷却水漏れ直後、予定通り - 東京新聞(2016年2月27日)

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関西電力は二十六日、高浜原発4号機(福井県高浜町)を再稼働させた。福島第一原発事故後の原子力規制委員会の新規制基準下では、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)、高浜原発3号機に続き二カ所四基目。4号機では二十日、原子炉補助建屋でボルトの緩みが原因で放射性物質を含む一次冷却水漏れが起きたが、関電は同様の弁を点検するなど対策を済ませたとして、当初予定通りの日程で再稼働させた。
4号機の再稼働は四年七カ月ぶり。3号機と同様、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使う「プルサーマル発電」での再稼働になる。4号機での実施は初めて。
関電の八木誠社長は二十六日の会見で、3、4号機の本格運転再開を前提に「五月一日から電気料金を値下げする」と述べた。
4号機の中央制御室では午後五時、運転員が核分裂を抑える制御棒を引き抜くレバーを動かし、原子炉を起動した。
順調に進めば、二十七日午前六時ごろに核分裂が安定して続く「臨界」に達し、二十九日に発電と送電を開始、三月三日にフル出力運転に入る。関電は三月下旬に通常の営業運転に移行させたい考えだ。
一方、先月再稼働した3号機は二十六日、原子力規制委員会によるすべての検査が終わり、営業運転に移行した。
避難計画の策定が義務づけられる高浜原発から三十キロ圏には福井、京都、滋賀三府県の十二市町が含まれ、約十八万人が暮らす。計画は昨年十二月、複数府県にまたがる広域避難計画として初めて国の原子力防災会議で了承された。だが、実効性を確認する住民参加の避難訓練は実施のめどが立っていない。
東京新聞