貧困家庭 食で助けたい フードバンク、行政介さず直接支援へ:東京 - 東京新聞(2016年2月7日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201602/CK2016020702000134.html
http://megalodon.jp/2016-0208-1059-06/www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201602/CK2016020702000134.html

貧困を見過ごせず、自ら行動を始めた狛江市の主婦、田中妙幸(たえこ)さん(62)が立ち上げた「フードバンクを考える会」が七日、NPO法人の設立総会を開く。今後、貧困家庭に直接支援するなど活動の幅を広げる方針という。
フードバンクは、個人や企業から寄贈を受けた食料を、生活が苦しい家庭などに届ける活動。昨年十一月に全国組織「全国フードバンク推進協議会」が設立され、注目されている。
田中さんも「困っている人を放っておけない」と、昨夏、フードバンクを考える会を作った。市の機関に相談に訪れた生活困窮者が求めれば、行政から連絡を受けて食材を届ける仕組みを確立。これまで二十四世帯に四十回近く、お米や缶詰、レトルト食品などを届けてきた。
だが、活動を通して、多額の借金を抱えている場合など、公的機関との接触を避けたり、助けを求められなかったりする貧困家庭の人々にも出会った。田中さんは「本当に困っている家庭にこそフードバンクを知ってもらい、利用してほしい」と話す。
NPO法人の申請には設立総会の開催が必要とされ、申請から数カ月後に都の認証が得られる見込み。法人化後は、さまざまな市民団体などと協力して、行政を介さずに直接連絡を受ける相談体制を確立する方針。資金管理を強化し、より広く活動できる団体を目指す。
夫の究(きわむ)さん(64)の協力も得ながら支援の輪を広げたいという。田中さん夫婦は「社会で支え合い、貧困を解決したい」と話し、気持ちを新たにしていた。
(木原育子)