「帝国の慰安婦」韓国教授に賠償命令 名誉毀損を認定 - 東京新聞(2016年1月14日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201601/CK2016011402000130.html
http://megalodon.jp/2016-0114-0939-31/www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201601/CK2016011402000130.html

【ソウル=上野実輝彦】朴裕河(パクユハ)・世宗(セジョン)大教授の研究書「帝国の慰安婦」で名誉を傷つけられたとして、元慰安婦九人が朴氏に一人当たり三千万ウォン(約二百九十四万円)の損害賠償を求めた民事訴訟で、ソウル東部地裁は十三日、朴氏に対し、元慰安婦一人当たり一千万ウォンを支払うよう命じた。朴氏は、本紙の取材に「不当な判決だ。控訴する」と述べた。
判決は、元慰安婦について「性奴隷同様の生活を強要され人間としての尊厳を抹殺された」と認定。「帝国の慰安婦」で朴氏が元慰安婦を「(旧日本軍の)軍人と同志的関係」などと表現したことを「事実を歪曲(わいきょく)した行為」と認め、名誉毀損(きそん)と人格権の侵害にあたるとした。その上で「学問の自由の限界を逸脱し、原告に対する不法行為が成立する」と結論づけた。
判決後に記者会見した元慰安婦の姜日出(カンイルチュル)さん(90)は「判決は良かった。後世に私たちのような被害がないようにしたい」と訴えた。
朴氏は著書で兵士に同情的な慰安婦もいたとする事例などを挙げ、多様な意見を認めて対話することを提案していた。朴氏は、刑事事件としても名誉毀損罪で在宅起訴されている。