最大手「東京書籍」も教科書見せ現金渡す - NHK(2016年1月8日)


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160108/k10010365611000.html
http://megalodon.jp/2016-0108-1950-46/www3.nhk.or.jp/news/html/20160108/k10010365611000.html

相次ぐ教科書会社の不適切行為
検定途中の教科書を巡って、教科書会社の不適切な行為が相次いで発覚しています。「三省堂」は、7回にわたって小中学校の教員などを集めて会議を開き、合わせて53人に検定途中の教科書を閲覧させたうえで、現金5万円を渡していたことが明らかになりました。この中には、自治体がどの教科書を使用するか決める「採択」に関わった教員も含まれていました。会議のあと、他の会社の教科書から三省堂の教科書に替えた地域もあったことから、文部科学省が、採択に不正な影響がなかったか調べています。
また、「数研出版」も検定途中の教科書を閲覧させたうえで、一部に図書カードを渡していたことが明らかになりました。
いずれも外部からの指摘があるまで、文部科学省に対して自主的な報告がなかったことから、文部科学省は、各社に調査したうえで今月20日までに報告するよう求めていますが、そのあとに報告漏れが発覚した場合、教科書発行の指定を取り消す処分を行うことも含めた厳しい措置を検討する方針です。
一方で、文部科学省はこれまでの制度を見直すことも検討しています。現在、教科書は公正さを保つことなどを理由に、検定中は外部に見せることが禁じられ、検定が終わったあとでも、それぞれの地域がどの教科書を使うか決める「採択」の作業をしている間は、各社が教科書に関する説明会などを開くことは禁じられています。
文部科学省は、こうした制度がかえって水面下での営業活動を過熱させた一因だったとして、今後は、「採択」の作業をしている段階で、各社が合同で教育委員会や教員に対し、それぞれの教科書の特徴を説明したり、専門の教員から意見を聴いたりする公の機会を設けることなど、対策を検討しています。