最高裁は選択的夫婦別姓に理解を示している 憲法学者の木村草太氏が「同姓合憲」判決を解説 - ビデオニュース・ドットコム(2015年12月19日)

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10人の多数意見は一見すると選択的夫婦別姓を認めようとしない保守的な判決と読める内容だが、実際はその見方は間違いだと木村氏は言う。なぜならば、今回の裁判は選択的夫婦別姓の是非に対する判断を求めたものではなかったからだ。木村氏は今回の裁判は原告が「氏名を変更されない自由の侵害である」「男女の区別が不平等である」との論点設定で臨んだために、このような判決となったが、別の論点を設定していれば、異なる判決となった可能性が高いとの見方を示す。
最高裁が判決の中で指摘するように、男女のカップルが法律婚を選ぶかどうかは、当人たちの選択に基づく。自らの選択で法律婚を選んでいる以上、それは姓の変更を強制されたと主張することは法律的には難しいと木村氏は指摘する。また、96%の夫婦で女性が姓の変更をしているという実態があるとしても、法律では一方的に女性側に姓の変更を求めているわけではないため、これを男女不平等とする主張も法律的には通りにくいと語る。
しかし、木村氏は今回の判決を法律の専門家が読むと、最高裁は選択的夫婦別姓に対して格別な理解を示していると読める内容になっていると指摘する。論点の立て方を工夫すれば、最高裁は選択的夫婦別姓を認める用意があると判断しているとの見方が可能だというのだ。