「沖縄の歴史への認識不足」 菅氏に抗議声明提出 - 東京新聞(2015年12月16日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015121602000110.html
http://megalodon.jp/2015-1216-0913-50/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015121602000110.html

米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移転問題をめぐる菅義偉(すがよしひで)官房長官の発言について、沖縄近現代史の研究者らが十五日、「沖縄の歴史への認識不足で無責任だ」と撤回を求める声明を内閣府に提出した。
提出したのは鹿野政直・早稲田大名誉教授ら四人。千二百二十八筆の署名もインターネットで集めた。
菅氏は九月八日、政府と沖縄県の集中協議が決裂した後の記者会見で、戦後に住民が土地を強制接収されたのが原点だとする翁長雄志(おながたけし)知事の主張に言及。「賛同できない。日本全国、悲惨な中で皆さんが苦労されて今日の豊かで平和で自由な国を築き上げた」と発言した。
声明は「地上戦で『血を流して得た』土地を米軍が統治した沖縄の占領と、本土の占領とは異なる」「日本の経済成長は、沖縄に軍事的負担を押しつける構造なしにありえなかった」と批判している。
東京都内で会見した森宣雄(よしお)・同志社大嘱託研究員は「沖縄と本土で戦後史の認識が違うことも、沖縄が苦しんできたことも認めない発言。広く社会に問うていきたい」と訴えた。