妊娠降格は違法 高裁が賠償命令 マタハラ差し戻し審 - 東京新聞(2015年11月18日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201511/CK2015111802000121.html
http://megalodon.jp/2015-1118-1853-58/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201511/CK2015111802000121.html

広島市の病院に理学療法士として勤務していた女性が妊娠を理由に降格されたことが、男女雇用機会均等法に反するかが争われ、最高裁が違法と初判断した訴訟の差し戻し控訴審判決で、広島高裁(野々上友之裁判長)は十七日、降格を適法とした一審広島地裁判決を変更し、精神的苦痛による慰謝料も含めほぼ請求通り約百七十五万円の賠償を病院側に命じた。女性が逆転勝訴した。 
最高裁は昨年十月、「妊娠による降格は原則禁止で、自由意思で同意しているか、業務上の理由など特殊事情がなければ違法で無効」との初判断を示し、社会問題化しているマタニティーハラスメントをめぐって行政や事業主側に厳格な対応や意識改革を迫った。
差し戻し控訴審で病院側は、特殊事情として、女性に協調性がないなどと適格性を問題視したが、野々上裁判長はいずれの主張も退け「女性労働者の母性を尊重し、職業生活の充実の確保を果たすべき義務に違反した過失がある」と病院側の対応を厳しく批判した。
復帰後の地位の説明がなかった点などを挙げ、降格を女性が承諾したことについて「自由意思に基づいていたとの客観的な理由があったとは言えない」と述べた。