週刊新聞「たいまつ」全780号 デジタル化 - 河北新報(2015年10月17日)

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201510/20151017_45003.html
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100歳の現役ジャーナリスト、むのたけじさん(秋田県美郷町出身、さいたま市在住)が1948〜78年に横手市内で発行した週刊新聞「たいまつ」全780号を、横手市立図書館がデジタル撮影して保存・修復する作業を進めている。

◎来年4月閲覧可能に
同図書館が所蔵するのは488号分。欠番は、むのさんが保存している新聞を借りた。全号のデジタル撮影は秋田市の画像処理会社みどり光学社に委託した。
朝日新聞の記者だったむのさんは、1945年8月の敗戦を契機に「戦争報道に関わった責任を取る」と会社を辞めた。郷里に近い旧制横手中(現横手高)時代の縁を頼って東京から横手市に活動の場を移し、秋田県南地方のニュースや生活情報などの記事執筆に加え、広告の営業にも携わった。
むのさんは13日、横手市内であった講演会で「思想的に正反対の保守的な地元有力者にも支えられ、新聞発行を継続できた」などと当時の苦労を振り返った。旧制横手中時代の恩師で作家の石坂洋次郎に論文の執筆を依頼したエピソードも披露した。
図書館の佐越良子館長は「記事だけでなく、その時々の物価が記載された広告なども載っており、県南地方の歴史資料としても価値がある」と保存の意義を語った。
たいまつのデジタル画像は図書館のタブレット端末で来年4月から閲覧が可能になるほか、インターネットでの公開も検討している。