(政界地獄耳)米懸念「激しい政治闘争」 - 日刊スポーツ(2015年10月14日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1552486.html
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★米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設計画をめぐり、13日、沖縄県知事翁長雄志は埋め立て承認を取り消した。今後は国との間での法廷闘争に舞台は移っていく可能性が強い。思えば官房長官菅義偉が1カ月の工事中断をする中、幾度か知事と会談に臨んだものの、事態は何も進展しなかった。もし菅が今まで通りの政府の説明を繰り返しただけならば全く無駄だったといえる。
★その菅は今月29、30の両日、米領グアムを訪問する方針を固めた。目的は在日米軍再編計画で沖縄県に駐留する米海兵隊の一部の部隊がグアムに移転するため、その米軍施設の視察や軍関係者との会談を予定しているという。官房長官が官邸を離れ外遊することは極めて異例で、視察や関係者との会談程度ならば首をかしげる日程だ。沖縄県関係者は「グアム視察で、米軍関係者や政府関係者と会談するなど、沖縄の負担軽減策や、辺野古の中止にかかわる善後策を練るのならばともかく、また沖縄県関係者も同行させるべきではないか」と指摘する。
★その米軍の予算は7日、米議会上院の本会議で国防予算の大枠を定める国防権限法案を可決し連邦議会を通過した。下院で当初可決された法案には「辺野古が唯一の選択肢」とした米軍普天間飛行場移設に関する条文が入っていたが、上院との協議の結果、下院が条文を撤回、可決した法案からは削除された。つまり日米関係者が言い続けた「辺野古は唯一の選択肢」は米議会から消えたわけだが、ここからが複雑。米オバマ大統領はこの法案に拒否権を発動する可能性があり、予断を許さない。同日、米議会調査局は辺野古への移設問題に関し「東京と沖縄の論争は新たな段階に入ったように思われる。激しい政治闘争につながる可能性がある」と懸念を示した。辺野古の新たな段階とは何か。(K)※敬称略