来夏「18歳選挙権」控え 有権者の心得 文科・総務省が高校副教材- 東京新聞(2015年9月29日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015092902000249.html
http://megalodon.jp/2015-0930-0915-14/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015092902000249.html

来年夏の参院選から選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられるのを前に、文部科学省総務省は高校生用の副教材「私たちが拓く日本の未来」を作成した。二十九日から両省のホームページ(HP)で公表するとともに、全国の高校や高専の生徒ら全員に順次配布して選挙の基本的な知識について学んでもらう。
今年六月に公職選挙法が改正され、来年六月の施行後は三年生の一部が投票可能になる。公選法の処罰対象にもなるため、両省は有権者としての心構えや注意点を周知する必要があると判断した。教師向けの指導用資料も作り、全学級担任らに配る。
副教材は「解説編」「実践編」「参考編」の三部で構成。解説編は、国政、地方それぞれの選挙の仕組み、議員の任期や仕事の内容といった基本的な知識を紹介する。公選法で禁止されている行為や、若い世代の投票率が低い実態なども載せている。
実践編では、より政治を身近に感じてもらう方法として、模擬選挙や模擬議会のやり方を掲載。参考編は、選挙に関する疑問にQ&A方式で幅広く答えている。
高校生の政治活動は現在、一九六九年に文部省(当時)が出した通知によって学校の内外を問わず禁止されている。ただ、デモなどに参加する高校生が少なくないのに加え、選挙権年齢引き下げにより実態に合わなくなる。このため文科省は十八歳以上で一定の条件の下であれば、校外の活動は容認する新たな通知を作成する方向で検討を進めている。教師にも慎重な対応が求められることから、指導用資料には政治的中立を確保するといった留意点などが盛り込まれた。
文科省の担当者は「来夏の参院選では、今の高校三年は全員が有権者になる。公選法上してはいけないことや、政治の仕組みについて知ってもらえれば」と話している。

「私たちが拓く日本の未来」総務省文科省作『私たちが拓く日本の未来の』(生徒編)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000378558.pdf

「私たちが拓く日本の未来」(生徒用副教材、教師用指導資料)の公表 - 総務省(2015年9月29日)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei15_02000112.html

政治や選挙等に関する高校生向け副教材等について - 文科省(2015年9月29日)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shukensha/1362349.htm