(政界地獄耳)野党の「救国戦線」土壌できたか - 日刊スポーツ(2015年9月19日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1540552.html
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★安保法制は強引ながらも、自民党の作戦勝ちと言えそうだが、これからの政局はどうなっていくのだろうか。政界関係者が言う。「このまま引き下がるような状態ではない。1つは一部のメディアは、1つの方向性を向いた人たちが国会に詰めかけたと分析しているが、政党や政治家主導というより、国民1人1人の強い意識が、今回の行動に表れたという認識が与党に弱いということ。もしかしたら民主党をはじめ野党、つまりすべての政治家が気付くまでもなく、広く護憲の精神や、リベラル志向が国民に根付いているといえるのではないか」。

★メディアや与党は国会周辺に詰めかけた多くの人たちを出来るだけ少人数に見せたがったり、60年安保の名残のように活動家らを摘発して扇動家がいるように思わせたがるが、思想的には普通の市民と言っていい国民の声なき声が声を出しに表に出てきたと評価するほうが素直ではないか。これは政党が呼びかけたり組合の動員とはわけが違う。このエネルギーは与党の議員の多くが、連休を挟めばすぐ沈静化するというものではなく、国や政府への信頼関係の欠如や不信感として根強く残るものとなるだろう。

★政界関係者は「そしてもう1つは、今回の一連の動きの中で、民主、維新、生活、社民、場合によっては共産の各党党首が強い連帯関係になったということだ。1人1人は強いリーダーシップを発する力はないかもしれないが、国民の代表としての立ち位置を見つけ出すかもしれない。今までの野合的合併というより、救国戦線の統一候補などを作り上げる土壌が培われたといっていい。形がどうなるかはまだ何とも言えないが参院選までには1つの塊になるのではないか」。このままでは終わらない。(K)※敬称略