安保採決、徹夜攻防か=与党「再可決」「信任決議」も視野 - 時事ドットコム(2015年9月15日)

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野党側が「あらゆる手段」で阻止するとしている安全保障関連法案。与党側は27日までの今国会で確実に仕上げるため、18日までに成立させる方針で、最終局面の参院本会議は徹夜の攻防になるとの見方が強い。野党側が検討する安倍内閣不信任決議案提出などに対抗するため、与党は衆院での内閣信任決議や、憲法の「60日ルール」による衆院再可決も排除せず検討を進めている。
自民党佐藤勉国対委員長は15日の党総務会で、「参院での法案審議が大詰めを迎えている。衆院はどんなことにも対応できるように万全を期したい」と表明した。同党は16日の衆院議院運営委員会理事会で、17日の衆院本会議の開催を決める方針。法案成立に万全を期すため、党所属の衆院議員に17日以降は国会周辺にとどまる「禁足」を指示した。
衆院本会議をセットするのは、野党側が徹底抗戦して参院採決が危うくなることに備えた措置だ。自民党は、18日夕に国会を取り巻くデモが拡大すると見込んでおり、それまでの決着を目指す。
参院平和安全法制特別委員会は16日に横浜市で地方公聴会を実施。与党側は遅くとも17日に同委で採決した上で、同日中の参院本会議で法案を成立させたい考え。野党が各閣僚への問責決議案提出などを連発すれば、与党は延会手続きを取った上で18日未明の採決を目指すとみられるが、自民党は「衆院で引き取ることもある」(自民国対)として、再可決と両にらみの構えだ。
自民党は、野党側が衆院で個別の閣僚への不信任決議案を乱発することも想定する。決議案1件当たりの処理に3〜4時間がかかるとされ、「最長で25時間を要する」と警戒。このため、自民党内には、安倍内閣信任決議案を衆院に提出、可決する案も浮上する。
内閣信任決議が可決されたのは過去2回。2008年には参院で可決した福田康夫首相問責決議に対抗して自民、公明両党が提出した。内閣信任案は不信任案よりも優先して処理されることが先例で、信任決議が可決されれば不信任案は会期末までたなざらしとなる。
野党側が各決議案の趣旨弁明に長時間かける「フィリバスター」(議事妨害)を行えば、与党は「打ち切り動議」によって、発言時間を制限する見通しだ。