(政界地獄耳)公明外しが始まった!! - 日刊スポーツ(2015年9月8日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1534956.html
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★7日、公明党代表山口那津男は、昨年の選挙公約にも掲げた17年4月の消費税10%引き上げ時に、生活必需品などを軸に軽減税率導入を同党が強く求めて国民に訴えてきたが、財務省が消費税率引き上げに伴う低所得者対策として飲食料品の負担増分を還付する仕組みを検討していることに関し不快感をにじませた。「そもそも政府の考えが説明されていない。説明を求めたい」としたが、明らかに公明党との協議を進めながらの自民党財務省の公明外しだ。

公明党関係者が言う。「この6月まで、軽減税率の品目調整など含め、自公協議を続けてきたが、ストップしている。確かに品目の扱いは複雑で購入する消費者の複雑さもさることながら、仕入れ業者の値付けなども細かくて煩雑だ。しかし、党としての公約で自公政権としても合意している。消費税値上げとパックで議論してきたものをこんな風にほごにされるのは心外だ」。

★しかし、その包囲網は着々と進んでいた。食品スーパーの業界団体、日本スーパーマーケット協会は軽減税率反対を表明。「対象品目の区分けなど実務的に見ても極めて問題の多い制度で、絶対導入させてはならない」とし、低所得者対策としては、所得税の税額控除を行い、控除する税金がない場合は現金の給付を行う「給付付き税額控除」の導入の検討を提言している。

財務省は元来、取りっぱぐれぬようにまずは一律徴収したいと軽減税率に消極的だった。しかし、自公合意のため我慢していたが、ここにきてTPPの頓挫などアベノミクスが低調で財源確保に不安がある財務省が押し切ったのではないか。政界関係者は言う。「大阪維新の会が政党化するのを待って、公明の連立外しが始まるのではないか。だが、安保法制には協力してもらってからという条件付きだろう。その後は連立の組み替えが待っているのではないか」。公明党のお人よしがはしごを外されたということか。(K)※敬称略