言論抑圧の時代知って 我孫子で「アサヒグラフ」から見る戦時報道展 - 東京新聞(2015年9月9日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20150909/CK2015090902000192.html
http://megalodon.jp/2015-0909-0918-42/www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20150909/CK2015090902000192.html

特攻隊の出撃ルポでは、見出しや文章で「神」の言葉を使い、特攻隊員を神格化。自爆攻撃を「敵艦に突撃する神鷲」と表現した。
働き手を戦場に取られ、苦しいはずの農村でも、紙面に登場する人たちの表情は晴れやか。写真には「あなたの汗が手不足も肥料不足をも征服した」との説明が添えられ、明るく闘う農民を印象づける。
劇場を工場に変えたり、大阪の中心部で畑作が行われていることを報じたときは、「国民の士気は下がるどころか、尻上がりである。決戦の十九年を送り、決勝の二十年を迎えようという東京、大阪の街頭風景には悲壮感などみじんもない」と伝えている。
担当した同館の高木大祐さんは「暗い部分を一切出さず、真剣な表情か笑顔で埋め尽くし、日常生活の記事が戦意高揚に組み込まれている。軍の検閲もあり、言論が抑圧されていた」と指摘。「暮らしが悪くなる中で、これを読んでいた当時の人の気持ちを想像してみてほしい」と話した。

企画展「戦時下のアサヒグラフ
2015年7月14日(火曜日)から10月4日(日曜日)まで
(杉村楚人冠記念館 最新イベント)
https://www.city.abiko.chiba.jp/event/shiseki_bunkazai/sugimurasojinkan/eventkokuchi/eventnew.html