医師らも声上げよう 県内で安保法案反対の動き続々:千葉 - 東京新聞(2015年8月27日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20150827/CK2015082702000183.html
http://megalodon.jp/2015-0827-1152-00/www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20150827/CK2015082702000183.html

南房総・花の谷クリニック院長 伊藤真美さん(58)
他国を武力で守る集団的自衛権の行使を柱とする安全保障関連法案に、医療関係者らが反対の立場でつくる会の中心メンバーが南房総市にいる。花の谷クリニック院長の伊藤真美(まみ)さん(58)。「医師や医療関係者がもっと反対の声を上げて」と呼び掛けている。 (北浜修)
全国各地の医師や医療関係者ら約九十人が呼び掛け人となり七月、「安全保障関連法案に反対する医療・介護・福祉関係者の会」を結成。同月二十四日、伊藤さんら会の有志が東京都内で記者会見し、「軍事費が伸びれば医療や福祉の予算はさらに削られる」などと廃案を訴えた。
伊藤さんによると、会のホームページ(HP)や、全国の医療機関福祉施設などに配布したチラシなどを通じて、これまで約五千三百人の署名が集まっている。「一カ月余りで多くの署名が集まるのは、危機感を持つ医療関係者が多いことの表れ。三十万人ぐらい集めて、廃案にもっていきたい」と話す。
法案をめぐってさまざまな団体や個人が声を上げている中、医療界の動きは遅かった。伊藤さんは「医師や医療関係者は日々、診療で大変忙しい。さらに医療界では、政治的な言動をよしとしないものがある。法案についても、個人的には反対している医師らは多いのに、声を上げないままでよいのか」と危機感をあらわにする。
法案反対の理由は「政権は結局、軍需産業による経済成長を目指しているのではないか。法案は大きな一歩となるからだ」と言う。
会は署名活動のほか、国会周辺のデモや集会などに参加。伊藤さんも内科医として多忙な身だが、デモにも参加する。
伊藤さんは静岡県出身で、信州大医学部卒。東京都内の医療機関亀田総合病院鴨川市)などを経て、一九九五年、南房総市の千倉地区にクリニックを開設した。「安房地方に来て二十五年になる。田舎志向なので、ここが気に入っている」と笑った。