ひとり親の子に居場所 空き店舗を活用 国が支援策 - 東京新聞(2015年8月20日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015082002000243.html
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政府が今月末のとりまとめを目指すひとり親家庭支援の充実策が二十日、判明した。経済的、精神的に不安定になりがちな子どもが地域で孤立するのを防ぎ、学習機会も提供する居場所づくりの推進を初めて打ち出した。商店街の空き店舗の活用も見込んでいる。
支援団体などから増額の要望が多い児童扶養手当は、年末の予算編成で拡充を検討する。厚生労働省が二〇一六年度予算の概算要求に盛り込む。
ひとり親家庭の親は夜間まで働きづめのケースも多く、子どもが行き場を失ってコンビニでたむろしたり、町をうろついたりして学習意欲が低下する恐れがあるほか、犯罪に巻き込まれるなどの懸念がある。一部の地方自治体が居場所づくりを始めており、国も一六年度から事業費の二分の一を補助する。
現行でも、学生ボランティアが児童や生徒宅などを訪れ勉強を教える補助事業があるが、学習支援に限定されていた。新事業では、食事や友人との交流といった、勉強以外の目的でも気軽に立ち寄れる居場所の整備を目指す。自治体直営や、NPO法人などノウハウを持つ民間への委託など、地域の事情に応じて運営しやすい仕組みにする。
児童扶養手当は年収百三十万円未満の世帯で月額四万二千円支給され、二人目の子がいれば五千円、三人目以降は一人当たり三千円が加算される。支援団体は加算部分の増額などを求めている。ひとり親家庭は就労収入や子どもの進学率が低く、昨年八月に閣議決定した「子供の貧困対策大綱」では貧困の世代間連鎖の解消を掲げた。充実策には、親の資格取得支援の強化も盛り込む。