育鵬社は採択せず。武蔵野市教育委、来年からの教科書決める(川名ゆうじさん) - BLOGOS(2015年8月20日)

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8月16日に武蔵野市教育委員会臨時会が開催され、平成28年度から4年間の市立中学校で使用する教科書などが決まった。注目されている歴史的分野と公民的分野では、育鵬社を採択しなかった。


中学校の社会で採択される教科書の出版社は下記。採択について教育委員で割れることはなく全委員一致での採択だった(<>内はこれまで採択されていた教科書の出版社)。

  • 社会(地理的分野)=帝国書院  <帝国書院
  • 社会(歴史的分野)=東京書籍  <清水書院
  • 社会(公民的分野)=東京書籍  <東京書籍>

教科書採択で論点となるのが、歴史の教科書に育鵬社を採用するかだろう。安倍政権の思想に近いとも言われている一方、採択される教科書のシェアの高い教科書は教員指導で選ばれ、日教組の影響で教科書が決まってしまうとの批判もある。
日教組の組織率は約25%(産経ニュース2015.3.31「日教組の組織率が過去最低を更新 39年連続で低下」)であり、そこまで組合の影響が強いとは思わないが、このことよりも、政治の介入がどこまで許されるかが問われていると思う。
武蔵野市の場合は、現在の邑上市政では政治的な介入はほとんどないように思えており、さらにこの日の教育委員会を傍聴した限りだが、複数の教科書への教育委員が自ら評価するところや課題点が示していたり、事務局による採択候補の教科書案を教育委員会として変更したりすることがあり教育委員会が自ら判断し適切に選択したように思えた(非公開の会議もあるので詳細までは把握できていない)。
4年後の教科書は現在の指導要綱に基づき記載される。その時の政治状況がどうなっているかが、今後、より注目されるのだろう。中立、公平に教えなくてなくてならない教科書でなぜこのように揉めるのか疑問でならない。細かな課題は多いのだろうが、一つだけ言えるのは思想による採択だけは行ってはならないことだ。