軍都の記憶(3) 平和の尊さを伝える拠点に - 東京新聞(2015年8月19日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20150819/CK2015081902000168.html
http://megalodon.jp/2015-0819-0916-54/www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20150819/CK2015081902000168.html

区内の綱島街道沿いにはその頃、「米陸軍出版センター」があった。極東一の米軍印刷工場で、ベトナム戦争時に投降を勧めるビラなどが印刷された。米軍が終戦直後、「東京航空計器」の工場を接収して整備した工場だ。
六五年に市内で開かれた「アジアの平和のための日本大会」で、このような印刷工場が存在し、川崎という町がベトナム戦争に関わっていたことが取り上げられ返還運動が本格化。段階的な部分返還をへて七五年に全面返還に至った。
センターの跡地には八〇年から九〇年代にかけて県立住吉高校や中原平和公園、市平和館が整備された。一帯を歩きながら中島さんがつぶやく。「緑があふれ、平和の大切さを訴える場所となった。ありがたいことです」