ひらがなに込めた証し 在日韓国人の80代2人が自分史:神奈川 - 東京新聞(2015年8月6日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20150806/CK2015080602000154.html
http://megalodon.jp/2015-0806-0949-06/www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20150806/CK2015080602000154.html

川崎市にある外国人向けの識字学級で学んだ在日韓国人の八十代女性二人が自分史をまとめた。働きづめだった来日後の生活や家族への思い、字や絵を学ぶ喜びが丁寧につづられている。「いろいろなことがあった。よくいきてきた」。時代に翻弄(ほんろう)されながらも懸命に生きてきたハルモニ(おばあさん)の思いが、手書きのひらがな一字一字にこもる。 (横井武昭)
二人は、韓国南東部の慶尚南道キョンサンナムド)出身の徐類順(ソユスン)さん(89)と金芳子(キムパンジャ)さん(84)。現在、市内に住み、日本語はしゃべれるが、貧困や戦争で教育を受けられず、高齢になってから約二十年、外国人を支援する「川崎市ふれあい館」(川崎区)の識字学級で日本語の読み書きを学んだ。読んだり書いたりが多少できるようになり、学級でこれまで書いた作文をそれぞれA4三十〜四十ページほどの冊子にまとめた。
徐さんは「いい人生だったとは言えない。でも、孫たちに残して、読んでもらいたい」と自分史に込めた思いを語る。