高校必修科目に近現代史 18歳選挙権「公共」を新設 - 東京新聞(2015年8月6日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015080602000115.html
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文部科学省は五日、中教審の特別部会で、次期学習指導要領の改定骨格案を提示した。高校の地理歴史で世界史と日本史を統合し、近現代史中心に学ぶ「歴史総合」と、課題解決型学習の「地理総合」を新設、必修科目とする。選挙権年齢の十八歳以上への引き下げを踏まえ、高校の公民で新科目「公共」を必修化。小学五、六年生の外国語活動を英語の教科に格上げ、授業時間を倍増する。 
中教審は二〇一六年度中に改定内容を答申する予定で、次期指導要領の全面実施は小学校二〇年度、中学校二一年度、高校は二二年度以降。授業時間数の確保も必要で、骨格案は一部修正の可能性もある。
現在の高校地理歴史は世界史が必修で、日本史と地理が選択科目。骨格案では世界史必修をやめ、現行の日本史Aと世界史Aを統合して近現代史中心に学ぶ「歴史総合」と、地理Aを再構成して地球規模や地域の課題を解決する力を育む「地理総合」を必修とする。
「公共」は、主体的に社会に参画する態度を養うために、模擬選挙や消費者教育などを取り入れる。既存の現代社会や倫理などの科目の在り方は今後議論する。
国語は現行の必修科目「国語総合」が教材の読み取り中心になりがちだとして、「話す・書く」など実生活で活用する国語力の育成や日本の言語文化への理解を深める二つの必修科目に再構成。情報は二科目から一つを選んで学ぶものから、情報活用力を育成する新科目に再編、必修にする。
数学と理科の知識や技能を総合的に活用する課題探究型の新科目「数理探究」も創設し、選択科目とする。
英語も高校で科目を見直し、「読む・聞く・書く・話す」の四技能総合型の科目を必修とする。正式な教科でない外国語活動は小学五、六年生で行っているが、これを三、四年生に前倒し。五、六年生では教科に格上げし、授業時間を現在の週一コマから週二コマにする。

<学習指導要領> 児童生徒に教えなくてはならない最低限の学習内容などをまとめた教育課程の基準で、約10年ごとに改定される。学力低下批判を受け、内容を厳選した「ゆとり教育」から転換した現行指導要領は、小学校が2011年度、中学校が12年度、高校が13年度から全面実施された。教科書作成や内容周知のため、公示から全面実施まで3〜4年程度の移行期間がある。