(政界地獄耳)若い議員の劣化が止まらない - 日刊スポーツ(2015年8月5日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1518208.html
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★政治家の劣化が激しい。不規則発言や暴言で話題になる議員は過去にも数え切れぬほど多いが、信念や持論を曲げないなど、不退転の決意で発言し、覚悟の一言を発する議員にはそれなりの理由や目的がある。一方、うっかりや勘違い発言した議員も数多くいた。

★新たな火種と言われる自民党衆院議員・武藤貴也が安全保障関連法案の反対活動を行う学生団体「SEALDs」に対し、ツイッターで「『だって戦争に行きたくないじゃん』という自分中心、極端な利己的考え」と記した件。どれほどのごりごり議員かと思えば36歳の幼い笑顔がホームページを飾る。政界関係者が言う。「自民党の1、2回生は政治家としてはまだ素人に近いレベルの議員が多い。ことに若い議員は腰も低く、ソフトで真面目で穏やか。高学歴で優秀な人材が多いが、その一方、歴史観や社会認識など、驚くほど無垢(むく)でどこから仕入れてきたかわからない理論を展開して、部会や総務会でもとんちんかん議論を展開する議員が多い」。

★つまり、人は良いのだけれど、妙な信念を持っての発言が多く、事の重大さや、どこに問題があるのかも理解していないのではないか。しかし、それは武藤に限ったことでもないようで、「基礎的な何かが足らない若者」(自民党古参秘書)が議員バッジをつけているとみる向きは多い。

★一方で、今年4月、衆院本会議欠席をめぐる問題で維新の党を除名された無所属の衆院議員・上西小百合が、国会開会中に撮り下ろしたとしか考えられない写真集「小百合」を発売するという。一体何を考えているのか。安保法制など戦後体制を根底から変えようという重要国会の裏で、若い国会議員たちの劣化が止まらない。(K)※敬称略