戦後70年、日本の転換点は? 各界で活躍する人に聞く - 朝日新聞(2015年8月2日)

http://www.asahi.com/articles/ASH7V52NLH7VUPQJ002.html?iref=comtop_pickup_01
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■今も昔も戦争の「影」
「戦後日本の転換点はいつか」を尋ねたアンケートには140件の回答が寄せられました。1946年の日本国憲法の公布や51年のサンフランシスコ講和条約、そして同年の日米安全保障条約締結……。敗戦から新しい国家の「かたち」を生み出す過程で節目となった出来事を転換点とする回答が多いのが特徴です。憲法については「新しい平和=民主国家のスタートライン」(男性70歳以上)、日米安保は「軍事費が軽減」でき「経済発展に邁進(まいしん)できた」(男性70歳以上)。戦争の「影」から抜け出す転換点ととらえています。
加えて、目を引くのが2012年の第2次安倍政権の発足以降の集団的自衛権の行使容認や、現在参議院で議論されている安保法制の整備を転換点と考える回答です。つまり、「いま」を戦後社会の転換点とみるこうした人たちは「戦争が非常に現実味を帯びてきた」(50代男性)など、次の戦争の「影」を転換点から読み取っているようです。
この70年間は「戦争をしなかった」「戦争がなかった」と言われます。ですが、回答を読むと、70年たった今なお、私たちの社会と戦争のイメージは強く結びついているように読めます。