(戦後の地層)<命と国家>(5)水 精神主義の強制 今も - 東京新聞(2015年7月31日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/Postwar70th/sengonotisou/CK2015073102000135.html
http://megalodon.jp/2015-0731-0942-03/www.tokyo-np.co.jp/article/feature/Postwar70th/sengonotisou/CK2015073102000135.html

集団の目的のため、個人に我慢を強いる考え方は、過大なノルマで自殺や病死に社員を追い込むブラック企業など今もはびこる。
実は精神野球の飛田は水は飲むように自著で説いていた。「つらい思いをさせれば、精神が鍛えられるという発想で教育現場が変質させたのかも」。開成高校(東京都)野球部の青木秀憲監督(44)は話す。進学校のため、全体練習は週一回。個人を磨くことに主眼を置いた指導で二〇〇五年、夏の全国高校野球の東東京大会ベスト16に進出。本やドラマの題材にもなった。
グラウンドから戦争色がなくなったのは「本当に最近」と感じる。「体操や水泳みたいにスポーツ科学が発達した国と競う機会が少なかったからかな」
試合ではサインを出さず、選手たちに考えさせる。「勝っても負けても別に教育上、えらいわけではない」。社会に出たら、何が役に立つかは分からない。
今夏は初戦敗退。卒業する三年生に、叱咤(しった)激励した。「まだ君らの野球は終わっていない」。等身大の自分を育てていけばいい。 (文中敬称略、福田真悟)

『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』青木監督のスゴすぎる5つのセオリー
http://sugubin.com/2013/06/07/5713