「憲法9条は核兵器より強力だ」米軍元海兵隊員が語った本当の戦争と日本国憲法の価値(小杉みすずさん) - LITERA(2015年7月4日)

http://lite-ra.com/2015/07/post-1244.html

「ほとんどの国の子どもたちが戦争を知っています。アメリカの私の子どもたちは、戦争を知っています。イギリス、イタリア、フランス、オーストラリア、中国、韓国の子どもたち、みんな戦争を知っています。しかし、ここ日本では戦争を知りません。憲法第9条が戦争の悲惨さ、恐怖や苦しみから、みなさんを救ってきたからです」
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日本国憲法は“誰がつくったか”が本質ではない。条文が示す、戦争放棄、戦力不保持、平和主義の理念を見つめるべき──そう、ネルソンさんは訴えるのである。昨今、護憲派の人々は、改憲派ネット右翼らから「脳内お花畑」とか「9条教」などと揶揄されている。しかし、ネルソンさんが9条をこれほど高く評価するのは、戦場で人を殺し、生還後もPTSDに苦しんできた自身の体験があるからだ。
ネルソンさんは、決して夢想家ではない。少なくとも、戦場の実態を知っているという意味では、安倍首相をはじめとするほとんどの改憲派の人たちよりもリアリストだろう。戦争で人を殺さず、殺されないこと。そのことをはっきりと規定した9条の条文が、ときの権力者の暴走に歯止めをかけてきた。ネルソンさんの言葉はその事実をあらためて私たちにつきつける。
与党は、国会での安保法制改正案の強行採決を目論んでいる。あの戦争の終結から70年が経つこの夏は、日本が再び戦争ができる国になった夏として、歴史に刻まれるかもしれない。人を殺し、殺されることが「当たり前の事実」になる日を目の前にして、私たちはこのまま、手をこまねいているだけでいいのだろうか。