神奈川新聞が「明日掲載予定の社説」をネットで速報 百田尚樹元NHK経営委員の発言めぐり異例の対応 - NAVER まとめ(2015年6月27日)

http://matome.naver.jp/odai/2143530870571191601
http://megalodon.jp/2015-0627-1522-04/matome.naver.jp/odai/2143530870571191601

神奈川新聞は26日、明日の朝刊に掲載予定の社説をインターネット上で速報した。通常、新聞社説は紙面に掲載されてから電子版で公開されるため、今回の対応はきわめて異例だ。マスメディアへの言論弾圧をほうふつとする会合の内容を憂慮したものと思われる。同時に、「照明灯」も速報掲載している。

(社説)報道批判 加速する為政者の暴走 - 神奈川新聞(2015年6月26日)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150626-00002037-kana-l14
http://megalodon.jp/2015-0627-1522-34/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150626-00002037-kana-l14

一報道機関として、という以前に民主主義社会の一構成員として看過できない。
自民党の勉強会でのことである。出席した議員から、国会審議が続く安全保障関連法案を批判する報道に関し、「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」という発言があった。国家が都合の悪い情報を統制し、多様な意見が封じられ、破滅へと突き進んだ戦前・戦中の言論弾圧をほうふつとさせる。
安倍政権を特徴付ける、異なる意見に耳を貸そうとしない傲慢(ごうまん)、独善、反民主主義性は極まれり、との感を抱かざるを得ない。発言の背後にある発想は独裁国家そのものだということにどれだけ自覚的であろうか。経団連がそのお先棒を担ぐ存在とみなされている点も興味深い。
文化人代表として招かれたのであろう作家百田尚樹氏の発言が象徴的だ。沖縄の地元紙が政府に批判的だとの意見が出ると「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と語った。
自民党が民放各局に「公平な報道」を要請し、自分たちが不利になるような報道をさせぬよう政治介入した先の衆院選は記憶に新しいが、さらに踏み込む「つぶさないといけない」。「取られれば目を覚ます」の発言には本土防衛の時間稼ぎに沖縄を捨て石にした差別意識がなお息づくのをみることができる。自らはこらしめ、つぶす側に立っているというおごりが生んだ発言だろう。
勉強会は安倍晋三首相に近い自民党の若手議員が開いたものだった。憲法改正を推進する勉強会で「文化芸術懇話会」という。やはりというべきか、一連の言動は突き詰めれば憲法の軽視に行き着く。
言論の自由への無理解だけでなく、立憲主義が求めるところを歯牙にもかけぬ。いや、首相からしてそうなのだ。安保法案に対して憲法学者がそろって「違憲」の声を上げても「合法性を確信している」と繰り返し、「決めるときは、決める」。
おさらいをしておく。権力はかくも暴走する。そのためにできないこと、国民の権利のためになすべきことを憲法に明記し、縛っておく。それが立憲主義の要諦である。
民主主義に対する為政者の反逆は既に始まり、加速している。

(速報 照明灯)地元紙の存在意義 - (2015年6月26日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150626-00002038-kana-l14
http://megalodon.jp/2015-0627-1523-07/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150626-00002038-kana-l14

かつて「自民党のブレーン」と呼ばれた慶応大名誉教授で憲法学者小林節さんは自民党の勉強会に長年参加して分かったことがある。「意見が合わないと怒りだす人が多い」
▼いわく「世襲で権力者になるような人たちは自分たちこそが権力であり、判断基準だと思っている」。政権批判をするようになると声は掛からなくなったという
▼まさにおごれる者たちにふさわしい人選、発言であった。自民党の勉強会に招かれた作家百田尚樹氏は、沖縄の地元紙が政府に批判的だとの意見が出ると「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と言った
沖縄タイムス編集局次長は「再び沖縄を捨て石にしようとする発想」と断じ、琉球新報編集局長は「国内のマスメディア全体の報道・表現の自由に対する重大な挑戦」と位置付ける。過去と未来を結ぶ視点が2紙の存在意義を示す
沖縄戦という破滅を負わされ、なお過重な基地負担という差別にあえぐ島だからこそ見据える時代の正体がある。思えば、沖縄戦戦没者追悼式に出席した安倍晋三首相に「戦争屋は出て行け」というやじが飛び、その背景を含めて詳報したのも地元紙であった。