なぜ違憲の安保法制に党内から異論が出ないのか - ビデオニュースドットコム(2015年6月20日)

http://www.videonews.com/marugeki-talk/741/

ゲスト:村上誠一郎氏(自民党衆議院議員

小選挙区比例代表並立制の導入によって、選挙区では各候補にとって党の公認を得ることが議員にとって死活問題となる一方で、比例名簿の順位を決める権限も党の執行部に握られるようになり、党の方針に逆らうことが難しくなった。また、民主党に政権を奪われた2009年の総選挙で大敗を喫した現在の自民党には、当選1回、2回の議員が圧倒的に多く、選挙地盤も弱い彼らには公然と執行部を批判する勇気を期待するのは酷な面もあるだろう。
とは言え、このまま自民党は右路線を突っ走っていくことになるのだろうか。
村上氏は現在自分は孤軍奮闘の状態にあり、自分の力だけで自民党を変えることは容易ではないが、有権者の多くが現在の自民党の路線の危うさに気がつけば、自民党内部からも声を上げる人が出てくるだろうとの見通しを語る。
安保法制については、現在国会で野党の追及が行われているが、数を握る与党がその気になれば、いつでも法案を通すことは可能なのが、議員内閣制の現実だ。本当に党内がその考えで一致しているのであればそれもやむを得ないが、実際は多くの異論がありながら、執行部による報復を恐れて誰も声を上げられないというような状態が、民主主義の健全な形であるはずがない。
自民党はなぜこうも変質してしまったのか。そして、なぜ誰も異論を挟めない政党になってしまったのか。われわれ有権者はそのことをどう受け止めるべきなのか。自民党の変質とその背景などについて、安倍政権と党の執行部に公然と反旗を翻す自民党村上誠一郎氏と、ジャーナリストの神保哲生社会学者の宮台真司が議論した。