合憲学者「多い」→「数でない」 菅官房長官 - 東京新聞(2015年6月11日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015061102000117.html
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菅義偉(すがよしひで)官房長官は十日の安全保障関連法案に関する衆院特別委員会で、二百人を超える憲法研究者が安保法案は違憲だとして廃案を求めていることについて「数(の問題)ではない」と述べた。合憲派の憲法研究者については「私自身が知っているのは十人程度」とし、具体的に三人の名前を示した。
菅氏が挙げたのは百地(ももち)章日本大教授、長尾一紘(かずひろ)中央大名誉教授、西修駒沢大名誉教授。四日は合憲派が「たくさんいる」と述べていた。
菅氏は特別委の合間に官邸で行った記者会見で、本紙記者が「憲法研究者二百人以上が違憲だと指摘している事実は謙虚に受け止めるべきではないか」と質問したのに対し「全く問題にしていない」と強調。「憲法学者のどの方が多数派でどの方が少数派ということは重要ではない」と反論した。違憲とする研究者の主張は「一方の見解だ」とも述べた。
菅氏は「憲法の番人は最高裁だ」とし、最高裁砂川事件判決(一九五九年)を念頭に「われわれは最高裁の判断を含め合憲だと思っている」と強調した。
衆院特別委では、辻元清美氏(民主)が「合憲という憲法学者が多数いると示せなかったら、法案は撤回した方がいい」と要求。高井崇志氏(維新)も「半々や七対三の割合ではなく、十人程度というのは極めて少数だ」と批判した。
菅氏は衆院憲法審査会で参考人憲法学者三人が安保法案は違憲だとしたことに対し、四日の記者会見で「全く違憲でないと言う著名な憲法学者もたくさんいる」と指摘していた。