「安保法案 合憲」強調 首相 砂川判決を引用 - 東京新聞(2015年6月9日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015060902000112.html
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ミュンヘン(ドイツ南部)=高山晶一】先進七カ国(G7)首脳会議(サミット)は八日(日本時間同日)、中国を念頭に、東シナ海南シナ海での力による「現状変更の試み」への反対などを盛り込んだ首脳宣言を採択して閉幕した。安倍晋三首相はその後、内外記者会見に臨み、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認などを含む安全保障関連法案に関し、憲法学者から「違憲立法」との指摘が相次いでいることに対し「憲法の基本的論理は全く変わっていない」と反論し、法案撤回にも言及しなかった。 
首相は法案が合憲との根拠について一九五九年の最高裁による砂川事件判決を挙げ「わが国の存立を全うするために自衛の措置を取りうることは国家権能として当然のこと」と指摘。その上で今回の集団的自衛権の行使容認に関し「他国の防衛を目的とするのでなく、最高裁判決に沿ったものであるのは明白」と述べた。
砂川事件は五七年に東京都砂川町(現立川市)の米軍立川基地拡張に反対し、基地内に立ち入ったデモ隊の一部が日米安全保障条約に基づく刑事特別法違反の罪で起訴され、裁判で米軍駐留の合憲性が問われた。最高裁判決は日本の個別的自衛権を認めたもので集団的自衛権は問題になっていないとの考えが一般的学説。
また首相は会見で、集団的自衛権の行使を認める場合の武力行使の新三要件にも言及。他国への攻撃であっても日本の存立が脅かされ、国民の権利が覆される明白な危険があるといった新三要件に基づき「憲法の基本的な論理は貫かれている」と強調した。新三要件に適合するかどうかは政府の判断に委ねられ、行使の基準があいまいとの指摘には答えなかった。