安保法制で事実上の戦争に巻き込まれる 柳澤協二さんの講演から(川名ゆうじさん) - BLOGOS(2015年6月3日)

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防衛官僚から内閣官房副長官補として安全保障・危機管理担当していた柳澤協二さんの講演を聞いた。このまま法律が成立すると、専守防衛から武器を使うことが前提になり、自衛隊が米軍と一体化する軍隊になる。憲法との矛盾が起きるだけでなく、事実上の戦争に巻き込まれると指摘されていた。

(講演は、5月28日に開催された自治体議員立憲ネットワークの総会で行われた)
講演レジュメ
http://rikken-net.org/wp-content/uploads/2015/05/082717d0951b29ca76090d35957cf3db.pdf

柳澤さんは、今回の安保法制について、法律はわざと分かりにくいように作っているようだが、何をしたいかは新ガイドライン(日米防衛指針。18年ぶりにこの4月に改定された)を読んで狙いが分かった。中国をけん制できるものであり、日米同盟の歴史的展開と政府は評価しているが、対米追随であり、行動の一体化となるもの。自衛隊の活動範囲は世界中が対象になり、共同作戦計画を作ろうとしている。
実際に何か起きたら、計画されていたのに断るのかといわれ、日米同盟強化のための計画なのだからやらないとは言えない。安倍総理は、アメリカの戦争に巻き込まれないと言ったが、絶対にあるとの認識だ。
自衛隊法95条に現場判断で武器を使用できるとあるが、拡大解釈で米艦隊にも拡大して武器を使用すれば事実上の戦争になる。ミサイルが飛んできたから撃ち落とす、撃ち落とさないは東京で判断している時間はなく現場判断でしかできない。第一次世界大戦は、サラエボで皇太子が打たれたことが引き金になった。満州事変も現場判断から日中戦争になった。戦争はこうした始まるものだ。南沙諸島ではどうなるか? 米中戦争に国会承認もないうちに参加してしまうのではないだろうか。
■お気楽な考えに、安全保障に携わった人間として我慢できなくなる。