自民党がAKB国会招致を断念した本当の理由 安倍首相と真逆の憲法思想の持ち主だったから? - リテラ(2015年5月27日)

http://lite-ra.com/2015/05/post-1140.html

現在、自民党が進めている「選挙権年齢の引き下げ」。現在、20歳以上と決められている選挙権年齢を18歳以上に引き下げるというもので、今国会で法案の審議を行い、6月2日に採決される予定だ。
だが、そんななかで妙な話が洩れ伝わってきた。29日には本法案について国会に専門家を呼び、意見を聞く参考人質疑が予定されているが、自民党はその参考人AKB48のメンバー・内山奈月を選定。しかし、昨日26日に内山の国会招致を断念したというのだ。

憲法主義:条文には書かれていない本質

憲法主義:条文には書かれていない本質

憲法主義 条文には書かれていない本質』PHP研究所


内山奈月×南野森『憲法主義』 (PHP研究所刊)

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たとえば、集団的自衛権の容認をめぐる憲法第9条1項・2項の解釈問題。安倍首相は強引に解釈改憲を行ったが、こうした解釈改憲について内山は〈解釈改憲が手軽に行えるとしても、それを繰り返すことは非常に危険〉と言及。しかも、内山はこうも述べる。
憲法の価値とは、「誰が草案を書いたのか」とか「草案の素晴らしさ」がそれを決めているのではない。(中略)憲法が「その国に根づいているか」、「安定しているか」、「運用されてきたか」ということが、その憲法の価値を定めているのだ〉
そう、安倍首相が主張する「現行憲法GHQによる押し付け憲法だ」という主張を内山は否定し、憲法の価値はそこにはないと斬り捨てているのだ。

憲法記念日前の5月1日に出演した『NEWS23』(TBS系)でのコメントだろう。憲法特集に若者のひとりとしてVTR出演した内山は、南野の憲法講義でもっとも興味深かった点は?という質問に、こう答えた。
「いちばん衝撃を受けたのは、日本国憲法は国民が守らなければいけないものではなくて、国家権力が守らなければいけないものだった、ということですね」
「日本国民は日本国憲法に逆に守ってもらっている。国民の権利を守るために日本国憲法があるということを知って、ステキだなって思いました」

憲法とは、権力者が守るべきものであり、国民が権力者に権力を濫用させないために「憲法を守れ」と命ずるもの。──安倍首相がまったく理解しない、そして憲法改正によって否定しようとしているこの「立憲主義」の精神に、内山は「ステキ」と最大の賛辞を贈っている、というわけだ。