最高裁長官の選ばれ方-Matimulog(2015年3月21日)

http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2015/03/juge-b262.html

今回の寺田長官の選任過程について、御厨教授が次のように述べている。

(耕論)一票格差、正せるか 宮川光治さん、御厨貴さん-朝日新聞(2015年3月20日)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11659534.html
http://megalodon.jp/2015-0321-1259-08/digital.asahi.com/articles/DA3S11659534.html
焦点は最高裁長官のさばきです。昨春、竹崎博允(ひろのぶ)・前長官が交代する際、最高裁は戦々恐々だったと聞きます。官邸が自分の都合のいい人、例えば政治家を据える懸念もありましたから。結局、竹崎さんが指名した3人の中から寺田逸郎さんが選ばれましたが、最高裁にすれば第一の候補ではなかったでしょう。長官への常道である東京、大阪高裁の長官の経験はないし、最高裁事務総局とも縁が薄いですから。

ただ、アメリカと比較すると、憲法に書かれていない違憲立法審査権を自分であるといって確立してしまったアメリ最高裁に対して、日本の最高裁が時の政権に対してそのように権力闘争的に振る舞えるとはとても思えず、むしろ戦前の大審院の方が政治に抗した事例が目に付くほどである。
日本では、露骨な人事介入をしなくても、どうせ意のままになると思っているのかもしれない。