中谷氏会見 文官統制「軍部暴走の反省でない」-東京新聞(2015年2月27日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015022702000261.html
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中谷元防衛相は二十七日午前の閣議後の会見で、現在の防衛省設置法に同省の内部部局(内局)の背広組(文官)が制服組自衛官より優位を保つと解釈される「文官統制」の規定が盛り込まれた理由について戦時中の軍部暴走の反省からかと問われ「そういうふうには思わない」と述べた。

中谷氏は、理由や経緯について重ねて尋ねられると「私はその後生まれたので、当時どういう趣旨だったのかは分からない」と述べた。中谷氏は防衛大学校卒で、陸上自衛隊出身。

政府は、文官統制廃止などを盛り込んだ防衛省設置法改正案を三月上旬にも閣議決定する方針。文官統制を廃止すれば、文民統制シビリアンコントロール)を弱体化させる恐れが指摘されている。

<文官統制> 政治が軍事より優先されるという、民主主義国家の基本原則「文民統制シビリアンコントロール)」の一環。防衛省設置法の規定では、背広組の文官を制服組自衛官より優越した立場に置くことで、防衛省内の文民統制を補強する役割を果たしている。憲法では、首相や閣僚は文民でなければならないことを明記。国の防衛に関する事務は内閣の行政権に属し、国会が防衛出動の承認などの権限を持っている。