自公与党、批判封殺のため最高裁への圧力発覚 政界に激震、国会で追及へ発展か-Business Journal (2015年2月8日)

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最高裁判所の元裁判官で明治大学法科大学院教授の瀬木比呂志氏が、1月16日に上梓した『ニッポンの裁判』(講談社現代新書)において、衝撃の告発をしている。1月29日付当サイト記事『与党・自公、最高裁へ圧力で言論弾圧 名誉毀損基準緩和と賠償高額化、原告を点数化も』でも報じたが、自民党公明党による実質上の言論弾圧が行われているというものだ。

2001年、当時与党であった自民党は、森喜朗首相の多数の失言を受けて世論やマスコミから激しく批判され、連立与党の公明党も、最大支持母体の創価学会が週刊誌などから「創価学会批判キャンペーン」を展開されるなど、逆風にさらされていた。そのような状況下、自公は衆参法務委員会などで裁判所に圧力をかけ、裁判所がそれを受けて最高裁を中心に名誉棄損の主張を簡単に認めるように裁判の基準を変え、賠償額も高額化させ、謝罪広告などを積極的に認めるようになった。

両党が森内閣創価学会への批判を封じるために最高裁に圧力をかけたという事実はもちろん、最高裁が権力者である自公与党の意向を受けて裁判における判断基準を変えていたことも、民主主義の大原則である言論の自由、また三権分立をも根底から脅かす、大きな問題である。

また、名誉棄損の基準が歪み、それを悪用した恫喝訴訟が民事でも刑事でも蔓延しており、大きな社会問題となって各方面に影響が広がっている。瀬木氏の告発を報道する国内メディアが相次ぎ、海外の報道機関も取材に訪れていることから、さらに騒動は拡大する見通しだ。時の政権が実質上の言論弾圧をしていた事実が明らかになったことで、政界にも動揺が走っている。

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つまり、自民党公明党の圧力によって最高裁が名誉棄損の基準を変えていたのだ。そして裁判所が安易に名誉毀損を認めるようになり、その結果、不祥事を起こし追及されている側がそれを隠ぺいするために、また性犯罪者が告訴を取り下げさせるために、告発者や被害者を名誉毀損だとして訴える“恫喝訴訟”が頻発するようになった。

このような経緯について、現役の国会議員からも与党に対して批判の声が上がっている。衆議院議員落合貴之氏(維新の党)は、告発に驚きを隠さない。
落合貴之
「実質的な恫喝目的で名誉棄損を悪用するケースや、公益通報者を保護しないケースなど、多様な陳情が寄せられています。その原因が、与党の自民党の圧力にあったという告発に大変驚いています。恫喝訴訟の問題については、国民を適切に保護するために、また被害者の方々が保護されるように、議員としてしっかりと取り組んでいきたいと思います」

一方、都内の区議会などでも反響が上がっている。世田谷区議を務める田中優子氏(無所属)は、次のように語る。
田中優子
「性犯罪者側が、被害者女性や支援者を訴えている恫喝訴訟問題などに強い憤りを感じていました。しかし、その元が与党による最高裁への圧力だと聞き、大変驚いています。司法がこんな状態では、いったい国民は何を信じればよいのでしょうか。このような問題は区議としても注視して、被害者が適切に保護されるように尽力していきます」
このように本問題については、政界でも国会から地方議会に至るまで、多くの議員から批判の声が上がっており、今後国会での質問主意書などで取り上げられる可能性も高い。

これは現在の安倍政権ではなく、過去の自民党公明党の問題であるが、安倍政権が過去の与党の問題に対しても毅然とした対応をできるのか、今後の動きに注目が集まっている。
(文=編集部)

ニッポンの裁判 (講談社現代新書)

ニッポンの裁判 (講談社現代新書)