夜間中学:教員や保護者ら「映画祭で拡充を」 中野で2月 - 毎日新聞(2015年01月31日)

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夜間中学の教員や生徒の保護者らが、夜間中学をテーマにした映画祭を2月7〜13日、東京都中野区の「ポレポレ東中野」で開催する。幻の映画とされていた本多猪四郎(いしろう)監督の「夜間中学」(1956年、44分)など計4本を上映。保護者らは「映画祭を通じて夜間中学の拡充を進めたい」と意気込んでいる。

夜間中学は現在、8都府県に31校しかないが、超党派の国会議員連盟が昨春に結成されるなど拡充を目指す動きが出ている。学ぶ喜びを温かく描く作品で理解を広げ、後押ししたいと保護者や教員ら12人で実行委員会を結成した。

ゴジラ」で知られる本多監督の作品は、働きながら夜間中学に通う主人公が昼間に学ぶ生徒と共有する机での手紙の交流を描いた物語。日本大学芸術学部製作で、当時の大映が配給した。同学部出身の宇野重吉小林桂樹らが出演する。

実行委によると、版権元にフィルムがない「幻の映画」とされていたが、メンバーで元東京都墨田区立文花中学夜間学級教諭、関本保孝さん(60)が同学部にあることを突き止めた。

他に上映されるのは、規則変更で大阪府の夜間中学に通学できなくなったものの、私立高校の食堂で勉強を続ける奈良県の生徒を題材にした盛善吉監督の「うどん学校」(76年、25分)▽文花中夜間学級を舞台にした森康行監督のドキュメンタリー「こんばんは」(2003年、92分)▽山田洋次監督の日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作「学校」(93年、128分)。

「学校」の登場人物のモデルの一人で「こんばんは」にも登場する元文花中夜間学級教諭、見城慶和さん(77)は「『学校』の上映後、夜間中学生が目に見えて増加するなど影響は大きかった。映画祭が成功すれば、国も拡充に向けて法制化を急ぐはずだ」と期待する。

期間中、映画監督と夜間中学卒業生、教員らによるトークイベントも開催する。当日一般1300円、大学・専門学校生と60歳以上1100円、高校生1000円、中学・小学生500円。前売り券1000円を劇場窓口で販売している。問い合わせは同実行委・和島直樹さん(080・3444・1964)【高木香奈】