語り継ぐ(1)息のんだ地獄絵図 当時軍医・肥田さん原爆の記憶-東京新聞(2015年1月1日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20150101/CK2015010102000137.html
http://megalodon.jp/2015-0101-1222-17/www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20150101/CK2015010102000137.html

一九四五年八月六日、広島−。当時二十八歳で軍医だった肥田舜太郎(ひだしゅんたろう)さん(98)は、道の真ん中に立つ影に息をのんだ。「遠くから見たときは人間だと思わなかった。近くで見ても人間には見えなかった」
 全身が焦げ、両目も唇も腫れ上がっていた。その人はうめき声を上げながら肥田さんに近づき、倒れた。裸の胸や腰から垂れ下がるぼろ切れは、よく見ると皮膚だった。「脈を取ろうとしたが、皮膚がどこにもなかった。何もできず立ち尽くしていると、ぴくぴくっとけいれんして、動かなくなった」。初めて見た被爆者の死だった。

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映画『核の傷:肥田舜太郎医師と内部被曝』予告編