杉良太郎の呼び掛けで始まった少年院映像表現コンクールの取り組み 映画製作を通じて更生へと導く【映画で何ができるのか】 - シネマトゥデイ(2014年11月28日)

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2014年の入賞作品は近々、YouTubeなどで公表

映画評論家であり、世界の犯罪史にも詳しい柳下毅一郎も語る。

「米映画監督のジョン・ウォーターズは刑務所で講演をして『この次人を殺したくなっても、絶対にやらないでくれ……その代わり、文章や絵にするんだ』と言う。それから自作映画を見せると誰もが納得するという。少年院映像コンクールの出品作は必ずしも代償行為として作られているわけではあるまい。ごくごく教育的なテーマが与えられて、内容にも被写体にも制限がある。あくまでもそれは教育的意図で作られるものである。だが、いかなる教育作品であろうと、どこかでその制限を破って表現が突出する瞬間があるだろう。たとえば体育館にたくさんの本を並べてドミノ倒しを試みる作品(2013年の茨城・水府学院の『HEART』)。2千枚もの絵を描いてアニメーション撮影をしてみせた作品(2012年の青森少年院『命はどこから来てどこへ行くのか?』)。キュートな天使と悪魔の絵を描いて、実写アニメを作ってしまうもの(2011年の青森少年院『new birth』)。妙なファンシーさに少年少女たちの心の裡を感じずにはいられないのである」。


少年院映像表現コンクール2013年入賞作品

少年院映像表現コンクール2012年入賞作品

少年院映像表現コンクール2011年入賞作品

アジア国際子ども映画祭ではこれまで、2011年に関東医療少年院の『僕のこと キライ ですか』が入賞、2012年には青森少年院の『命はどこから来てどこへ行くのか?』が最優秀賞にあたる杉良太郎特別賞、2013年も関東医療少年院の『きみといっしょ』が杉良太郎特別賞を受賞するなど高い評価を受けている。これがきっかけで映画界へ……。そんな夢があってもいい。

『きみといっしょ』