水爆実験映画「X年後」伊東英朗監督が出版 調査報道の足跡を本に-東京新聞(2014年12月4日)

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一九五四年三月、米国が太平洋・マーシャル諸島ビキニ環礁で行った水爆実験の真相に迫り、大きな反響を呼んでいるドキュメンタリー映画放射線を浴びたX年後」。映画を製作した南海放送松山市)の伊東英朗(ひであき)ディレクター(54)が、十年余りの調査報道の足跡、映画化までの舞台裏を明かした著作(映画と同一タイトル)を出した。「一人でも多くの人に、未解明のビキニ被害へ関心を寄せてほしい」との願いを込めた力作だ。 (安田信博)

伊東さんは今後も取材を継続、さらに多くの証言を集めて、「できれば来年秋には映画の続編を公開したい」と明かす。自らの死で「ビキニのX年後」を伝えている数多くの元漁船員。「ビキニの真相を解明することが、福島の明日にも役立つ。第五福竜丸以外は日本人の記憶から消えてしまったビキニ事件から学ぶことは多いのです」


放射線を浴びたX年後

放射線を浴びたX年後

<ビキニ事件のその後> 米の水爆実験による放射性物質に汚染されたマグロの被害が相次ぎ、反核世論が高まるきっかけとなった。マグロの汚染規制値は当初の100カウントから500カウントに緩められ、1954年12月28日にはマグロ放射能検査の打ち切りを閣議決定。55年1月、米が日本に見舞金200万ドル(当時のレートで約7億2000万円)を支払うことで政治決着した。